プラナリア=ナミウズムシ

 『(Plathelminthes)に属する食肉性の動物。体の表面がせん毛で被われている。このせん毛を使って水中を泳ぐとき、水面にうずが起こるので“渦虫(ウズ ムシ)”という名前が付いた。全国各地に棲息。少し山間部の、水の澄んだ、そして水温のあまり高くならない小川や池で、今もよく見かけられる』 岡田節人「からだの設計図─プラナリアからヒトまで─」より

プラナリアは、生物学的に大変おもしろい生物なので、よく研究材料にされてきました。ここではプラナリアを生物学的に紹介してみましょう。

なぜ目が寄ったままなのか?

これがいちばん気になりますね?いわゆる人間の白目と黒目じゃないからなんです。白いとこで光を感じ、黒いところは感じない。右と左、どっちから光が来ているのか、感じるために寄り目状に色が付いているのだ!だからそのまま動かない。こういう目を「杯状眼」という。


(最新図説生物/浜島書店より)

再生?
人間ならば 
指を切ってもそこから指は生えてこないないし、体をすっぱり切っても二人に増えたりしませんよね?でも彼らはどこを切っても残りの体の部分を作ってしまうのです。これを「再生」と言います。

実は人間にも!?ちっちゃな再生はあります。指をばっさり切っちゃえば生えてきませんが、ちょびっと切ったくらいなら、いつかはくっつきますよね?それは切り口の細胞が分裂して、その部分の皮膚が再生されたからなのです。プラナリアはちっちゃいし、単純な体なので、全身再生できるんですね。人間よりずっとずっと原始的なんです。
それでは、プラナリアがどういう生物の仲間なのか、解説しましょう。

 

プラナリア:学名 ナミウズムシ扁形動物門 渦虫類に属する

 

扁形動物とは 「三省堂生物小事典 第4版」より)

・からだは円柱状楕円状左右相称で腹側に偏平なものが多い

 ぺったんこなのだ

・体節構造(エビの甲羅や昆虫の節目みたいなものね)はみられない

・体表は繊毛で密に覆われる

 実は全身毛むくじゃらなのです。残念ながら肉眼では見えない

・口はからだの先端部の腹面にあるが肛門はないものが多い

 口と肛門一緒ってこと^^;

・寄生性のものでは消化管が退化する

 プラナリアは寄生性じゃありません

・排出器官は原腎管
(後生動物(=原生動物以外の動物群の総称)の排出器官のなかでは最も原始的なもの。浸透圧の調節器官も兼ねる。細い管状で体内に樹枝状に伸び、末端には炎(ほのお)細胞があって老廃物はこの細胞から細い管の中に分泌され、特別な開口部から体外へ出される)

 いわゆる、おしっこのつくり方と出し方。人間なら腎臓で作り、ぼうこうから尿管を通って出ていく。でもプラナリアは、腎臓みたいなものしかないって事。直接横穴から水へだだ漏れなのです。



(最新図説生物/浜島書店より)

・神経系ははしご形

 ちゃんと脳ミソあるんです!でも、考えているのは「エサがあっちにあるぞ!」って事だけ。だから再生実験したら、脳が再生されるまで餌を食べられないんですって。「はしご形神経」ってのは人間で言う脊髄が二本あるみたいな神経です。

・血管系はない

 血管がない代わりに胃袋が体じゅうに広がっていて、直接栄養分を送ります。


(最新図説生物/浜島書店より)

・おおむね雌雄同体

 もちろん相手がなければ交尾できない。かたつむりみたいなもんね。

・最も下等な後生動物(=原生動物以外の動物群の総称)

・3鋼(渦虫類、吸虫類、さなだむし類)からなる

 プラナリアはこのうちの渦虫類。

 

要するに、ヒルとかサナダムシに近いんですね。初めてそのことを知ったときは相当ショックでした。でも住んでるとこがきれいだし、、、かわいい顔してるし、、ちっちゃいし、、、だから人畜無害だし、、ということで、ヒルやサナダムシとは違う!全然違うもん!(TT)

渦虫類とは 「三省堂生物小事典 第4版」より)

・吸盤や片節を備えていない点で吸虫鋼や、さなだむし鋼とは区別される

 よかった^^

・からだは卵円形棒状で、腹側は偏平なものが多い

・体表は繊毛で密に覆われるが腹側にはないものもある

はからだの前端部か中央部の腹側にあり食道に続く

・はなく、おおむね雌雄同体

 何度聞いても^^;

・再生力はきわめて強い

 切れても、切れても♪

・コウガイビル、ナミウズムシ(プラナリア)など

 

と、いうことです。
ん?コウガイビルってなんだ?と思ったあなたはここへGO!→THE KGB FILE

他にも辞書にはないプラナリアの仕組みが分かっています。まとまったらページを追加しますので、お楽しみに!ここまで読んでくださったみなさま、お疲れさまでした。

資料、写真を提供して下さった岡野様、たくさんのご助言、資料、及びプラナリアをプレゼントして下さった野木様、ありがとうございました。

 

最近プラナリアの飼育を再開しました。お暇ならのぞいてみてください。
わたしのプラナリア体験写真集!→プラナリア日記

もっともっとプラナリアって人はここへGO!→プラナリアリンク集

このページの資料提供をしていただいた岡野さんのページです。
愉しいプラナリア日記!→PLANARIA GO GO

プラナリアゲーム(JAVA scriptゲームです)→プラナリア飼育シミュレーションゲーム
私のホームページオリジナルのゲームです。JAVA scriptで動きます。難易度は結構高く、プラナリアの習性や飼育のコツを知っていないとクリアできません。つまずいたときはプラナリア講座を復習してみてください。実際に飼うより難しいという話もある、ゲームとしておもしろいものです。作:竹霧りんご、画像・監修:にーな

 

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